December 02, 2013 at 01:34AM

50円で仕入れて100円で売る。それがどんどん売れると借金が膨らみ黒字倒産する可能性がある仕組みがわからない人が多いみたいなので簡単に説明しますね。 シンプルに販管費とか無視して説明しますね。 50円で100個商品を仕入れました。初めての取引なので信用ではなく現金で支払います。 ここで5,000円出ていきますね。 で、それが100円で100個売れました。10,000円入るのですが、その入金が末締めの翌末支払いになります。 そうすると、キャッシュベースで考えると、1ヶ月目は5,000円が出ていき、入金が0なので5,000円のマイナス(でも決算上は5,000円の黒字になります)。 2ヶ月目、商品がバカ売れしたので、50円で200個仕入れることにします。ここで10,000円出ていきます。そして、この200個が100円で全部あっというまに売れました。でも、入金は末締めの翌末払いなので来月末に入ってきます。 そうすると、2ヶ月目は10,000円出ていって、先月分の10,000円が入ってきてキャッシュベースでいうと入金ゼロです(でも、決算上は単月で10,000円の黒字)。 3ヶ月目、さらに売上げを上げるために50円で400個仕入れます。2万円出ていきます。この400個もあっという間に売れきれ、4万円入ってくるのですが、入金は来月末です。 そうすると、3ヶ月目は2万円出ていって、先月分の2万円が入ってくるので、キャッシュベースでいうとゼロになります。またゼロです。 1ヶ月目は5,000円出ていっただけ、2ヶ月目、3ヶ月目は出ていくお金はなかったけど、1円も残らない。 でも、家賃だとか、光熱費だとか、人件費がかかるので、その分は自己資金か銀行から借りるしかありません。 同じペース(倍々)で売れ続けると4ヶ月目も行って来いでゼロ円。5ヶ月目もゼロ円。借金だけが膨らんでいきます。ものすごい黒字が出ているはずなのに…。 この変なループから脱却するためには、売れるのはわかってるんだけど、仕入れを止めるしかないと考えます。 6ヶ月目。本当だったら3,200個仕入れてもそれを全部売り切れる状況なのに、仕入れを(例えば)1,600個に抑えるしかありません。 そうすると、出ていくお金は 50円×1600個なので8万円。先月(5ヶ月目)は1,600個売っているのでその分16万円が入金されて8万円のキャッシュフローがようやく生まれます。でも、きっと1ヶ月目の赤字だとか、キャッシュフローがゼロだった4ヶ月間の借金にすべて消えてしまうでしょう。 7ヶ月目も(もっと仕入れればもっと売れるのに)仕入れを1,600個に抑えてしまいます。出ていくお金は先月と同じ8万円。先月(6ヶ月目)は1,600個仕入れて1,600個売ったので入金は16万円で8万円のキャッシュが残ります。 少しキャッシュフローに余裕が出たので、今月(8ヶ月目)は多めに仕入れようとして3,000個仕入れたとします。出ていくお金は15万円。先月は1,600個売ったので16万円入金されるので、残るキャッシュは1万円。 あれれれ!いっぱい仕入れていっぱい売ったのに、あまり仕入れなくあまり売らないときよりキャッシュベースであまり儲からなくなった!! 決算の状況も悪化し始めます(それまではキャッシュはなかったけど、決算状況は悪くなかった)。 こんなループに入るんですね。で、そのまま黒字倒産という会社を時々見かけます。特に人材派遣の会社によく見受けられます。上記の商品を「派遣社員」と置き換えればわかりますね(なので、人材派遣の会社は現生勝負なんです)。 このループを断ち切るためには、支払いサイトを1ヶ月か2ヶ月延ばさなくてはなりません。「うちの支払いは今まで現金あるいは末締めの翌末だったけど、今月から末締めの翌々末払いにします!」と宣言するしかありません。 その宣言した月は、仕入れても現金が出ていかず、先月分の売上げがキャッシュで入ってくるのでいっきにキャッシュフローが改善されます。でも、その場合、「現金だから50円で卸してたけど、支払いサイトが変わるなら70円にさせてください」という話が出てくるのは当然で、それを飲まないと卸してくれなくなります。 そうすると根本的なビジネスモデル(50円で仕入れて100円で売るというモデル)が崩れ始めます。 さらに、人材派遣の会社だと、仕入れは人間なので、「明日から君たちへの給与の支払いは、末締めの翌々末にします」なんて言えません。大概、15日締めの25日払いか、末締めの翌10日払い。ほとんどとっぱらいと変わりません。 そうやって、すばらしい決算状況にも関わらず、銀行が貸し渋りなんて始めると借金返済や人件費の支払いなどが焦げ付き、倒産、、に陥るわけです。 もちろん、経営者ならこの仕組みは理解しているので、いろいろな方法(増資や社債)で回避します。でも、多くの人が、50円で仕入れて100円で絶対売れるならぼろ儲けじゃん!って勘違いしているのも事実なんです。
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